
フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)
悲劇は突然やってくる。
当時僕は高校3年生だった。
アレルギー性鼻炎が幼少の頃からひどかったらしいが、自分では何の意識もしてなかった。そもそも両親が僕をアレルギーの検査に連れて行っておらず、何のアレルギーか分からなかった。
正直、アレルギーなんて気にしてなかった。
夕飯のデザートにビワが出てきた。
ビワはとても美味しい。好物のひとつだった。
沢山食べた。3個ぐらい。
食べ終わって少ししたら異変に気付いた。
「あれ? 喉痛くね?」
気のせいかと思ってその時は何も思わなかった。
それから一カ月後、再び夕食のデザートにビワが出てきた。
食べてから喉が痛い。
この時確信した。
「あ、ビワのアレルギーだ……」
もちろん検査を受けたわけではないのだが、ビワを食べるたびに喉が痛くなるのである。アレルギーというほかあるまい。
ちなみに両親にビワのアレルギーがあるようだと何回か伝えても、夕食のデザートにビワが出てくることが2年間ほど続いた。
現在は、兄(ビワが大好物)が帰省するときにだけビワが食卓に並ぶ。
ビワのことは非常に残念だ。好きだったし。
しかし、果物全般が好きな僕にとっては辛うじてそこまでの痛みではなかった。
まだまだ食べれる果物が沢山あるんだ……!
事態は高校を卒業して浪人生活一年目の春起こる。
サクランボを食べたら喉に激しい痛みを感じた。
直感で分かった。サクランボアレルギーだと。
サクランボは果物の中で3本指に入るほど好きだった。
ゲーム『ファイナルファンタジー クリスタルクロニック』に出てくる「すずなりチェリー」のデザインに惹かれ、いつかこんなサクランボを食べてみたいと思った。
小学2年生の国語の「果物をテーマに詩を書く」授業では、サクランボの詩を書いた。サクランボの甘さ、ちゅるちゅる感について表現した。
そんな――とても悲しかった。もう生のサクランボを食べることはできない。
たった一粒食べただけで、呼吸ができなくなるかもと感じるほど喉が痛くなる。こんな苦痛があるだろうか。
両親に今度はサクランボアレルギーだと説明した。両親は2か月かかってようやく僕がサクランボアレルギーであることを理解してくれた。
たまにプリンやパフェの上にのっている姿のサクランボと再会する。これはシロップ漬けなので食べれる。アレルギー反応は出ない。
しかし、僕は生の、フレッシュなサクランボを食べたいのだ……。
父は果物をよく食べる家庭で育ったので、当然僕たちにも果物を食べる機会を多くくれた。やっぱり果物はいい。とっても美味しい。
ビワとサクランボを食べれなくなっても、僕には他の果物がついてる。
僕は桃が果物の中で一番好きだ。優しい甘さがたまらない。香りも素晴らしい。
桃さえ食べれたらもういいや。いや他の果物も食べるけど。
桃はいいな~。もう果物の中でとは言わず、食べ物の中で一番好き!
本当の悲劇は浪人生活二年目に起こった。
桃アレルギーになってしまった。
何か悪いことでもしたのかと、自分の行いを振り返った。
だって、こんな仕打ちあるのだろうか?
桃は食べ物の中で一番好きなんだぞ?
柔らかい桃もいいが、少し固い桃が好きだった。
桃は色もかわいらしくて素晴らしい。
もう生の桃を食べることはできないのだ。
僕は果物アレルギーを持つ人間として過ごすようになった。
生でなければ食べれるであろうが、友人と食事に行く時はアレルギーとなってしまった果物を決して食べない。(一人で食事をするときは加熱などの加工をしてあるものは食べる)
友人が作ってくれた桃のモヒートも飲まなかった。
今年の夏は「コンポートとかしてるっしょ」読みで、桃のパフェを食べてみたい。
多分大丈夫だと思う。生のフレッシュな状態で提供されたら多分食べない。
――これで1部完!!
そう続きがあるのだ。
僕は動物が好きである。
だいたいの動物が好きだ。
中でも犬や猫は本当に好きで、飼いたいと小さい頃から両親にねだっていた。
現在、実家にはとってもキュートな僕の妹がいる。犬だ。
甘えん坊で暴れん坊でとってもかわいい。
抱っこしている時が幸せの絶頂だ。
この前帰省した時に悲劇が起こる。
犬アレルギーになってしまった。
かゆい。とにかく妹(犬)と戯れると体がかゆい。
蕁麻疹みたいなものが出てくる。腫れる。
アレルギーによりできた腫れ・傷は犬に触れなくなってから1週間経つとようやく治る。
僕は家族である妹犬に触ることすら、障害のある体になってしまったのだ。
ちなみに、猫アレルギーにもなった。
僕は自分で稼ぐようになったら絶対ペットを飼うと決めていた。
絶対室内で飼って、一緒に寝るんだと思っていた。
(別の持病により)散歩に費やす時間をそこまでかけれなくなるかもだから、小型犬にしようかな~? いや、大型犬と一緒に寝たいな。柴犬のお尻をずっと見てたいな。
もちろん猫だって飼いたい。どの種類にしよう。耳が垂れてるのもかわいいな。
こんな感じであれこれ考えるのが好きだった。
さすがに、ずっと一緒には暮らせないだろう。
せいぜい帰省した時に妹犬と遊んだり、散歩に連れて行ったりぐらいしかできない。
いつか、大好きな犬と一緒に寝てみたかった。
しかし、叶わないのである。
――第2部完!
果物の方に関しては治療ができるみたいなので、自分でお金を稼げるようになったら試してみたい。
いつか動物アレルギーの治療もできるといいな。